挨拶は心の鍵(心の扉を開く鍵)


主任司祭 アマド・カバレロⅢ


 兄弟姉妹の皆さん、
 皆さんに主の平和がありますように。


 最愛の母のことを思い出します。私が日本へ出発する前、母が「電話を忘れないでね」と言うと、私は「うん、必ずしますよ」と約束しました。その約束を忠実に果たしたと私は自信を持って言えます。少なくとも、毎週に一度は電話をかけ、母が独りぼっちではなく、決して忘れられていないということを、挨拶を通して伝え続けました。


 シンプルな挨拶には、見ず知らずの人を「隣人」へと変える特別な力があります。私たちの小教区のコミュニティにおいて、「おはようございます!」という挨拶は、単なる丁寧なマナーではありません。それは、兄弟姉妹を両手を広げて歓迎する、温かいもてなしの心を表すものです。言葉、笑顔、八グ、そして、握手やお辞儀といったシンプルなジェスチャーで、誰かに挨拶するとき、私たちは目の前の人の存在を認めます。そして、教会の中にいる多くの人が感じている、目に目えない分断の壁をすぐに打ち砕くことができるのです。


 毎週日曜日、私たちの教会は、異なる背景、文化、伝統、そして、歴史を持つ多様な人々で満たされます。彼らは皆、つながりを求めています。聖パウロはそのことを深く理解して、ほぼすべての手紙の結びで、教会の信徒たちに「聖なる口づけをもって互いに挨拶を交わしなさい」と求めました。パウロは、挨拶が心の鍵としての力を知っていました。温かい笑顔や、心のこもった挨拶の言葉は、現代におけるあの「聖なる口づけ」の役割を果たしています。それは閉ざされた心を開き、直ちに「あなたはここに属している」という帰属意識を生み出します。そして新しく来た人々に対して、彼らの存在が見つめられ、大切にされているという合図になるのです。


 今月末、私たちは保護聖人である聖パウロの祝日を記念します。ローマの人々への手紙:15章7節「したがって、神の栄光のために、キリストがあなた方を受け入れてくださったように、互いを受け入れなさい」という言葉が思い起こさせてくれるように、パウロの手本、特にその「もてなしの心」に、倣い従いましょう。親切な言葉を口にすることで、私たちは仲間の信徒たちに向けて心の扉を開きます。それによって交わりが深まり、私たちの温かい挨拶を通じて、聖霊が働いてくださるようになります。

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