聖年
主任司祭 ジョヴァンニ・デリア
聖年の始まりには、サンピエトロ大聖堂にある聖なる扉が開かれます。この扉が開かれることは、聖書に描かれているエルサレムに到着したユダヤ人の巡礼者を思い起こさせます。この巡礼者は詩篇の言葉を歌いながらエルサレムの扉をくぐりました。
「主の家に行こう、と人々が言ったとき わたしはうれしかった。
エルサレムよ、あなたの城門の中にわたしたちの足は立っている。」(詩編 122)
さらに、聖なる扉をくぐることは、イエスの言葉を思い起こさせる。
「わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。」(ヨハネ福音 10 章 9 節)
カトリックの伝統において、聖年は偉大な宗教的行事です。聖年は恵みの時であり、主の祝福された日であり、慈しみと新たな熱意の時であり、良心を呼び覚ます時です。日常生活に追われる中で、自分が何者であるか、何のために生きているのかを忘れがちです。聖年は信仰を育み、キリスト者としての決意を新たにする機会です。聖年は、人間を内側から作り直す機会です。
教皇フランシスコは、聖年の祝いについて「自分の人生を変えるのに最適な時である。今こそ、あなたの心に触れる時である」と述べています。聖年は、免償による罪の赦しと償いの年です。和解、回心、ゆるしの秘跡の年です。特に、信仰を持たない人々、あるいは信仰を失った人々には、こころの照らしといのちを与える方と出会う喜びの特別な機会です。この機会を逃さないように努めましょう。