平和の神
主任司祭 ジョヴァンニ・デリア


 最近テレビを見れば戦争のニュースがよく出ています。見れば見るほど不安と無力を感じてしまうでしょう。戦争は、やむを得ないものとして受け止められてしまう可能性があります。しかし、戦争は避けられない運命としてではなく、私たちが解決すべき問題として捉えるべきです。


 教皇フランシスコは亡くなるまで「すべての戦争は、世界を元の状態より悪化させる。」と繰り返し伝えていました。教皇レオ十四世は最初の説教の中で戦争を止めるように呼び掛けてこう言いました「私たちは戦争に慣れてしまってはなりません。高度な兵器の誘惑を拒絶しなければなりません。」ときどき、「日本では戦争は起こらないから大丈夫」と楽観的に考えてしまうことがあるかもしれません。しかし、どこかで戦争が起きているのに、別の場所では関係なく平和に暮らせると思ってしまうと、私たちは問題の解決に向けて行動できなくなってしまいます。


 すでに、日常生活に必要な物でも、価格の影響などで手に入れにくくなっている現実があります。だからこそ、国ごとに分かれて考えるのではなく、人類全体を「ひとつの家族」としてとらえるべきではないでしょうか。


 家族の中で二人がケンカすれば、家族全体に影響が出るように、世界の国々が争えば、それは家族である人類全体に影響を及ぼすのです。キりスト者として私たちは第一コりントの信徒への手紙(14章33節)の言葉を自分の言葉にすれば幸いです。


  「神は無秩序の神ではなく、平和の神です。」


 私たちは、この平和の神の協力者となり、無秩序に負けることがないように努力しましょう。

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