カルメル山の聖母 主任司祭ジョヴァン二・デリア
キリスト教では、初期の使徒時代から聖母マリアへの自発的な崇敬が広まっていましたが、何世紀にもわたって徐々に形式化されてきました。この崇敬は、聖母マリアの美徳、聖域が建てられた場所、数え切れないほどの教会と結びついています。その中で7月6日に記念するカルメル山の聖母は特別な意味があります。
マリアへの崇敬は、人類にとって唯一、ご自身の誕生以前の何世紀にも根ざしたものです。旧約聖書の列王記上(18章40節〜45節)は、カルメル山に住んでいたイスラエルの最初の預言者であるエリヤが、聖母の到来と神の子の誕生の幻を見たと記されています。エリヤは、聖母が小さな雲に乗って昇り、神の恵みによる雨を降らせ、イスラエルを壊滅的な干ばつから救うのを見ました。また、伝統によれば、聖家族はエジプトからの帰還の途中、この地に立ち寄りました。こうしてカルメル山は、エリヤへの言及と聖マリアとの結びつきという二つの特徴を獲得したのです。
その後、その証拠の重要性から、カルメル山はキリスト教の修道共同体の拠点となりました。これらの修道共同体は、1世紀初頭にカルメル山に小さな教会を建て、聖母マリアに捧げました。そして、これらの共同体は「カルメル山の聖マリアの兄弟」の名称を名乗りました。こうして、キリスト教徒にとって「海星」となった聖母マリアへの崇敬が始まったのです。海星」というのはマリアがキリスト者の希望のしるしと導きの役割という意味です。今の時代こそ、私たちはこの希望と導きを必要としています。この素晴らしい恵みをいつも頂けるように祈りましよう。