「互いに愛と善行に励むように心がける」
(ヘブライ人への手紙10章24節)
主任司祭ジョヴァン二・デリア
 このヘブライ人への手紙の箇所に大事なヒントが二つあります。
 まず「心がける」とは、よく観察することです。そして、意識して見ること、現実に気づくことです。私たちは現代社会からいつもあれこれ引つ張られてどこに行っているか、周りで何が起こっているかなかなか気付いていません。四旬節とは、心がける季節です。当たり前と思っていることを再発見する季節です。私たちの信仰は習慣だけではないことを再発見する季節です。
 もう一つの言葉は「励む」という言葉です。四旬節は、自分自身を教育し、自分が何をしたいのか、何を拒否したいのかをはっきり言う季節です。四旬節はキリスト者として自分の生活を明確にする季節です。四旬節とは、金曜日に肉を食べないことではありません。本当の四旬節とは、祈り、断食、友愛を深く再発見することなのです。そして、キリストにおける新しい人生を生きる道を信じることです。
 最後に沈黙が必要とされています。どうしても現代社会において私たちはたくさんの言葉を浴びせられています。沈黙は、舌を抑制し、心を開くものです。四旬節は心の季節です。沈黙の聖母マリアの取次によって良い四旬節を過ごせますようにいのりましょう。

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